『解説!自動演奏+インタラクション MIDIメカニカルシステムでまとめて制御』
2021年7月3日(土) ちょもろーワークショップコレクションin竹芝 で展示した、遊べるMIDIパチパチクラッピーー24体&自動演奏ミニ鉄琴を、necobit 製品「MIDIメカニカルシステム」でどのように制御したか、詳しく解説💡
「MIDIメカニカルシステム」は各モジュールの組み合わせ次第で、小さな作品から業務用設備までMIDI制御できます。いろいろな使い方をニュースレターで公開!
1週間前の基本形を拡張する
まず、2021年6月26(土)27(日) NT金沢2021 でウズキアオバさんと共同製作&展示したパチパチクラッピーー(LEDデコデコキットDX入り)1体&自動演奏ミニ鉄琴。
この動くものひとつずつの状態に、パチパチクラッピーー23体を追加するところから始めます。📝増量の理由は→前号の展示記録にて
動かすために必要なMIDIメカニカルシステムはどれ?
💡☝️何を作るにしても考えるのはここから。
このパチパチクラッピーーにはソレノイドを1つ仕込んであり、ソレノイドの動力でクラッピーーの腕が動いて手を叩くという仕組み。
パチパチクラッピーーの背中にある黒い箱に入ってるのがソレノイド。通電すると磁界が発生し鉄芯を引き寄せる。これを動力として利用します。
色々な部分を繰り返しよーーく見てみてください👏👀
このソレノイドON/OFFを「MIDIメカニカルシステム」で制御すると…? MIDIノートON/OFF(鍵盤を押す/離す)で動くようになる❗️
そうすると何がいいかって、音楽のMIDIデータだけあれば動いてしまうのです。まず音楽作って次に動きを合わせてプログラミング〜〜〜などたくさん作業しなくても👌
👏👀パチパチクラッピーーは24体、1体につきソレノイドは1つ。つまり24個のソレノイドを動かすために必要な「MIDIメカニカルシステム」を選定します。
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MIDI THRUBOX Mini が 1つ
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MD-16 (MIDI to DigitalSwitch 16out) が 2つ
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DT-8 (Digital to Transistor 8port) が 3つ
そしてここも大事な、はじめに考えておくところ。🔌必要な電源。
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パチパチクラッピーー(=ソレノイド)24個を動かすための 24V電源
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MIDIメカニカルシステム基板を動かすための 5V電源
DT-8はその名の通り、最大8つまで繋ぐことができます。なのでクラッピーー24体に対してDT-8は3つ必要…というふうに逆算的に考えていくと決めやすいです。
電源の罠を回避して閃いた「お裾分けシステム」
さて、電気の話には V(ボルト/電圧)だけでなく A(アンペア/電流)も考えなければなりません。
クラッピーーに仕込んだソレノイドは、1つにつき 650mA(ミリアンペア)の電流を使います。
🧮 650mA × 24個 = 15600mA = 15.6A
あらかじめ準備していたパチパチクラッピーー24体(=ソレノイド24個)用の電源は、24V 15A でした。…………………足りてな〜い💧23体までしか動かせな〜い💧
しかしふと横を見れば、クラッピーーと一緒に展示する自動演奏ミニ鉄琴を動かすための電源 24V 10A があるではないか❗️
その自動演奏ミニ鉄琴をMIDI制御するの図はこう👇
システムの作り方はクラッピーー×24の場合と同じ考え方。動かしたいもの(ここではソレノイド12個)に対し必要なMIDIメカニカルシステムと電源を用意する。「24Vから5V電源つくるやつ」とは、電源2種類用意すべきところをひとつで済むよう楽をしたいカワヅが独自に作った基板。
上図、黄色い四角の 24V電源 コレのことです。
パチパチクラッピーーを動かすためのシステム・ミニ鉄琴を動かすためのシステム、それぞれ別々に独立して作っていましたが…
👨🦲💡ミニ鉄琴は 24V 10A の電源で余裕で動いてるし、足りてない分だけここからお裾分けしてもらっちゃえ~。
「24Vから5V電源つくるやつ」はその名の通り 24V電源からMIDIメカニカルシステムを動かすための5V電圧を作ります。
24V電源お裾分けを考えているうちに、クラッピーー×24体を動かすための MIDI THRUBOX Mini と MIDIメカニカルシステムを動かすための 5V電源 も、ミニ鉄琴と共用することができる💡と気づいて、結局この図のようになりました。
お裾分けしない場合は、まずPCからのMIDI信号を、クラッピーー制御用・ミニ鉄琴制御用それぞれの MIDI THRUBOX Mini に送るために2本配線することになります。ここがまず1本になってスッキリ✨
薄いグレー文字の5V電源・MIDI THRUBOX Mini は、お裾分けにより不要になったもの。
共用できるところはする、ちょっと節約な繋ぎ方。なるべく使う基板を少なくしたい・配線を減らしたい時などはこんなお裾分けシステムも良いと思います。
実際のお裾分け配線 左:ミニ鉄琴「MIDI THRUBOX Mini」からクラッピーー「MD-16」へ 中:ミニ鉄琴「24Vから5Vつくるやつ(下部に収納)」からクラッピーー「MD-16」へ 右:ミニ鉄琴「24V電源(下部に収納)」からクラッピーー「DT-8」へ
ただし⚠️お裾分けされているということは、クラッピーー24体はミニ鉄琴無しには動くことができないのよ!!!!という縛りも発生します。良し悪しは状況によりけりですね。
今回のちょもろーワークショップコレクションでは、クラッピーーと鉄琴は終始セットで動かすので、問題なくお裾分けシステムでGO。
しかしこの時点ではまだ、MIDI自動演奏。
人が遊べるところ インタラクション要素を追加する
ちょもろーワークショップコレクションは『子どもたちが楽しめる』が条件。見るだけでは物足りない。遊んでいただきましょう。
パチパチクラッピーー24体のうち、4体は自動演奏ではなく人がフットペダルを踏んだら動く制御にします。
自動演奏の場合は「MD-16」がソレノイドをONにするスイッチ信号を送信していたところを、パチパチクラッピーー4体(=ソレノイド4個)分だけフットペダルでスイッチ信号を送信!にする。
図のうえではこれでOKなのですが…
人の感覚と機械のアクションを合わせる
この段階では、
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人がフットペダルを踏む→ソレノイドに通電→クラッピーーの腕が開く
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人がフットペダルから足を離す→ソレノイドの通電が無くなる→クラッピーーの腕が戻り拍手する
ペダルから離した時にパチパチクラッピーーが拍手している。
自動演奏化したパチパチクラッピーーの構造の都合上、こういうアクションになっています。ペダル操作でコレでは、はっきり言って遊びにくい。楽しくなくなってしまう。
それならば………💭
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クラッピーーの腕が開いた状態で待機
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人がフットペダルを踏む→ソレノイドの通電が無くなる→クラッピーーの腕が戻り拍手する
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人がフットペダルから足を離す→ソレノイドに通電→クラッピーーの腕が開いた状態で再び待機
…いやいやいやいやいやいや❌待機中ずーっとソレノイドに通電状態は、電力も消費しっぱなしだし、何より発熱で壊れる。それはできない。
あいだにマイコン制御を挟む
💡解決策はコレだ!
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人がフットペダルを踏む→マイコンからの出力がONでソレノイドに通電→クラッピーーの腕が開く→マイコンからの出力がOFFでソレノイドの通電が無くなる→クラッピーーの腕が戻り拍手する
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人がフットペダルから足を離す(何も起こらない)
人の感覚(ペダルでON)とクラッピーーのアクション(拍手する)が合っている
人がペダルを踏んだだけでマイコンが即座にON→OFFをしてしまう。単純なことなので、使うマイコンはとにかく激安なマイコンでいいんです。
みんなだいすき Shigezone はこういう商品があるから助かります…。 [激安版] Arduino Pro Mini互換ボードLGT8F328P。マイコンひとつで200円💥ナンダッテー
ProMini互換といいつつクロック内蔵32MHzというわけのわからないモジュールですが、普通に使えました。
Arduinoのスケッチは→コチラ。(ボードプロファイルは自力で入れてね)
necobit の Github にて公開しています。
単純なオンオフなんですが、フットペダルを踏みっぱなしの時に1回だけ動作するようにしています。最後のdelayはチャタリング防止です。
割り込みとかも使っていないのでこれでは複数スイッチに対応はできませんが、激安200円だしスイッチひとつにつきマイコン1個ずつ使ったので問題なし。
ほんのちょっとのズレはむしろゲーム性に
ただしこれでも、人がペダルを踏んだと同時にクラッピーーが拍手する…わけではありません。わずかに遅れてパチッ。
完全完璧な同期タイミングにすることもできるのでしょうが、このズレがあるまま展示をしたことでなんと大成功になりました。
子どもたちはこのズレに気づくと、自らペダルを踏むタイミングをどんどん変えて試していく…それはパチパチクラッピーーと直に対話しているように見えました。夢中になってジャストを探る、満足してもまたリピートして遊んでくれる。良かった良かった👨🦲✨✨✨
モジュールシステムのいいところを活用
全体はMIDIで制御しつつ、4体だけフットペダルでスイッチ制御。
「MIDIメカニカルシステム」がモジュールシステムで、要素ごとに分かれているからこそできたひと工夫だなーと作りながら思いました。
まあ、マイコンモジュールの納め方まで考えてる時間の余裕が無かったので、ビニテでぐるぐる巻きにしてケースの内側に押し込んでいるのですけど…。
マイコンにもケースを作ってあげる余裕を持ちたい。
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それでは次回のねこびっと通信まで、お楽しみに
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