『でっかいものを作ってみる』
「大きさが超デカくなるとウケるな」って気持ちで人間の子どもくらいのサイズの電子工作作品を作ると、ふつうのサイズでは気にならなかった重さや、材料の面積や値段、モーターのトルク不足とかの問題が急に襲いかかってきてビビるよ。
necobit、普段作るものは可搬性を考えてコンパクトにコンパクトに作ってます。全てはフットワーク軽くイベント展示にのぞむため。
初の海外出展だった Maker Faire Shenzhen も、作っていたものがコンパクトだったのでまるっとスーツケースに収めて持って行けました。
だが…だがしかしである。
ただ大きいだけでも結構面白いのではないか?
と思ってしまったのです。
さあ大変?いやいや大変さを想像する前に作り始めてしまおう!!!その勢いで YOXO FESTIVAL 2024 へ出展申し込みまでしてしまいました!!!
コチラは necobit が初めて作った自動演奏楽器。太鼓を叩くねこびっとくんです🤖
初代スネアねこびっとくん。身長12センチ。太鼓を叩くとはいえ実際鳴るのは甲高いカンカン音。偶然に幸運な設計により展示イベント会場では「トイレに行っても聞こえる」と言われるほど良く響く。
この当時は3Dプリンタを使うのも初めて、設計も何も手探り状態で作って完成しました。それでよく数年動いてるな……とも思いますが、手のひらに乗るような適度に小さい物を作るには、必要な強度はそこまで大きくありません。適当に箱型にしておけば、ほとんど強度問題はどうにかなります。(ただし、稼働部の耐久性や商品化する場合は別の話)
コレを10倍の大きさにしよう!
とすると…まずは骨組……フレームが必要になる。
設計ソフトのクセに戸惑いながらも何とか設計。
荷重のかかり方とか、強度が出る格子の作り方とか、知っておくべき知識があれこれ出てきます。ですが今回はそんなに荷重がかかるものではないので、いきなりバラバラになったりしなければOK!ということで進めます。
冒頭の引用の通り今までに経験しなかった問題が降りかかってくることを予想しながら、それらをうまいこと避けていく方向性で、自分はどうやるか考えていきます。
-
四角い骨組にハリボテ外装でロボット型に見せる
-
人間用の一般的なスネアドラム&ドラムスティックを使う
-
肘や手首や指のような複雑に曲がる動きはやらない
-
ただ叩くのではなく楽器として「よく響く」ものにする
小さい自動演奏楽器を作る時も同じです。人間が楽器を演奏する時に何がどう動いて音が鳴るのかをとても考えます。
強度強度
腕っぽいカタチのものに、ドラムスティックを取り付け、ソレノイドで動かして叩かせます。
こういう時、こんなんで馬鹿にされるのではないか…などという気持ちに負けてはいけません。自分で初めてでっかいサイズの自動演奏楽器を作ったぜ!という未来に持っていくことが大事です。
腕部分も全て3Dプリントで作るのは強度的にも設計的にも出力時間的にも大変なので、板金部品を使います。
本来なら1番負荷がかかるであろうスティックを振る部分こそ金属で作りたいところだが、金属加工は necobit にとってはまだまだ難易度が高いです。取り付けのベースになる部分だけ板金にして、後は3Dプリンタで何とかしよ。
え?強度?
一番動く部分をわざわざ強度で劣る3Dプリントにしたのは、作ってみて動かしてみて修正する柔軟性を残しておかないと完成しない気がしたから。
最近ではミスミが自動見積もりの meviy というサービスを始めてくれたおかげで試作板金のハードルがグッと下がって嬉しい限り。
necobit にはありがたいことに板金できる友人がいたのでその方にお願いしました。
思ってたより力が要る
今まで色々な楽器を自動演奏化してきましたが、打撃力が必要な機構!!!初!!!
色々試行錯誤しながらなんとか動くところまで辿りつきました。てこの原理、大事。そして一番心配な耐久試験。
10000回大丈夫だったし、連打しなければとりあえず大丈夫だろ...。
発熱も土台のPLAが溶ける温度までは上がらない。
夏の屋外とかは無理だと思うが。そういう展示の時はその時また考える。てことで!
それっぽくなる瞬間
両手で叩く、そして顔がつくと…ロボット感が一気に増す。
さらに、搬入搬出を楽にするため動くようにする。
アルミフレームって便利ですね。CuboRex社の CuGo V3 をくっつけました。
デカいものを作る時に大事だったこと
普段の10倍の大きさのものを作るということは、実際に歩くとか稼働部分があちこちにあるロボットだとかは、壊れないために考えるべき要素がめちゃくちゃ増えるので、難易度はすごい勢いで上がっていくのだろう…と思います。
とにかく今の自分にできるやり方で「完成」まで漕ぎ着けることを重要視。なんだかんだで実際に動いているところは手首部分だけです。
フレームをちゃんと格子構造にすること。そして、実際に動く手首の部分とその取り付け部の熱や強度についてはわからないなりに色々考えてみることなどで一応動くものができました。
身の丈にあったロボット開発、大事〜🧑🦲💨
この #スネアねこびっとくん は 2/3(土)4(日) YOXO FESTIVAL 2024 で展示します!
「大きくなったらそれだけで面白いのでは?」というのを具現化してみる今回のMake、自動演奏楽器ではありますが、音ゲー的に遊べる体験型の展示をします🎶
🎪YOXO FESTIVAL 2024🗓️2/3(土)4(日)で遊べます🎵
necobitブースは👉横浜ハンマーヘッド1階CIQホール yoxo-o.jp/yoxofestival/ 👨🦲オマチガイナク
壊れないことを祈りながら、遊びに来てください!!!!!
2024年2月3日(土) 11:00-19:00 / 2月4日(日) 11:00-17:00
会場は複数あります。necobitブースは、横浜ハンマーヘッド🔨🧑🦲💥1F CIQホールです。
それでは、次回のねこびっと通信もお楽しみに!
✉️ ご意見・ご質問を necobit に送る✉️
-
匿名で送りたい方はコチラ👇
-
X(旧ツイッター)で送りたい方はコチラ👇
-
メールで送りたい方はコチラ👇
necobit
すでに登録済みの方は こちら