『3Dプリンタで始めるジャストフィット新生活』

…ここにピッタリのフックがあったら…測る・作る・試して知る。繰り返しがどれほど経験値になっていることか!自宅の便利グッズ作りが、作品を動かす大事な部品に活きている necobit の3Dプリンタ活用法を。
necobit 2022.03.26
誰でも

👨‍🦲みんな〜!3Dプリントしてますか〜〜

やってます?やってみたい?いまいち使い道がない?

necobit は、2022年3月初めに引っ越してから3Dプリンタを荷解きし稼働状態に戻すまでモンモンと我慢しながら日々を過ごし、大量の学期末荷物を引きずって歩く小学生を見かける今!ようやく!室内のあちこちにフックやスペーサーをせっせと自作しているところです。

左:風呂マット引っ掛けフック 中:メジャー引っ掛けフック 右:食洗機ホース持ち上げフック

左:風呂マット引っ掛けフック 中:メジャー引っ掛けフック 右:食洗機ホース持ち上げフック

「それ、ダイソーに売ってるよ」

そうなんです。そうなんです。その通りなんですけど!

3Dプリントの1番いいところはコスパでは無く、各所にアジャストしたものを自分で作れる。

☝️例えば…

クローゼットのハンガーパイプの太さをきっちり測って(ノギスが便利)、それにピッタリのフックを作ります。

カワヅ
@necobut
こういう感じでほんのちょっとだけすぼんだフックをパイプにはめると「パチンッ」てはまって気持ちが良いぞ
2022/03/20 20:16
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そうすると、パイプから外れないフックになります。きっちり測ってピッタリ設計すれば本当に外れないフックが作れます!

フックが外れて落ちる、これ結構イラッとくる所なんですよね…完全に回避できます。

そんなことばっかりやってるから、作品が創れるようになる

普段から何かと測って作ってってやってると、いざなんか作品を…!という時に、必要な部品をイメージすることが出来るようになっています。

作品というものは3Dプリントスキルに加えて発想力が必要なので、3Dプリントに限らず普段から何かしら工作しているか、そこがものを言います。

単なるフックひとつでも、引っ掛ける場所・引っ掛けたいもの・かかる力の大きさと向き・耐久性…などなど考えて試して知る。結構な経験値です。

「手で切った方が早いよ」

そうでしょう。そうですよ。3Dプリンタは造形時間がかかります。もちろん、プリントするもののサイズや3Dプリンタそのものの性能などでかなり違います。

ところで最近はとんでもない爆速3Dプリンタも誕生してしまったようです。スゴイ!!! ホシィ〜〜〜〜〜!!!!!!

こんなん持ってれば話は別ですが…

時間のかかる3Dプリンタ。とはいえ、自宅にいながら構想から出力までできてしまう上に、設計が終わったら出力開始ポチッとな〜👉🔘しておけば、他の作業をしている間でも留守中でも完成しているのです。とてもありがたい魔法の道具です。

特にメカ部分を作るときなんかは、思ったように動かなかったらデータ上でサクサク変更ができる3DCAD、手作業に比べたらとても楽です。

necobit の場合は、上から力をかけてもうまくいかないからじゃあ下からにしよう、みたいな大掛かりな変更であっても、3Dプリントで試作(の試作の試作の…)を繰り返すのが常です。

レーザーカッターや金属加工を使うこともありますが、それらは張り付いて作業しなければならない⚠️キケン度が段違いですからね。稼働させながらその隙に別の作業・別の部分の設計を進めたりできる3Dプリンタ、なかなか性に合っています。(高温になるノズルには要注意です)

展示用の補修部品も大量に準備しておける

というわけで、necobit 初の Maker Faire 出展、2018年にはじめて世に送り出した、MIDI制御基板「MIDIメカニカルシステム」のデモンストレーション自動演奏楽器。

ご覧の通り同じ形のバチがずらずらと並んでいます。バチ・そしてそれらを支えるパーツなど3Dプリンタで作っています。2日間ずっと動作させっぱなしの展示でしたから、折れたり割れたりそんなこともあろうかと!事前に全く同じものを大量に作っておくことができる(そして3Dプリンタが頑張っている隙に他の準備を進められる)。非常に助かりました。

ここから現在に至るまで、全ての necobit MIDI自動演奏楽器は3Dプリント部品を使っています。

パーツの形状を工夫する

本来、人間が演奏する楽器を、自動演奏にする。つまりそもそも楽器の奏法とは、音が鳴る肝心の部分が、人間の体の形と力の使い方に合った作りになっているということです。

例えばコチラのMIDI自動演奏ゴムベース。ゴム1本の単弦ベースです。

ギターなどでタッピングという奏法があるとおり、弦は上から叩くだけでも音が鳴ります。しかし!

自動演奏ゴムベースのひみつ 動画より<a href="https://youtu.be/DLGpC2zt39s?t=174">→この部分をYouTubeで見る</a>

自動演奏ゴムベースのひみつ 動画より→この部分をYouTubeで見る

上から弦を叩くだけでは、同じ長さの音しか出せません。ベースっつったらキレでしょ⁉️キレのいい演奏をさせるために考え出したのが、この右側の🛸UFOキャッチャーみたいな部分。コの字を左に90度回した形のパーツです。音のキレを生み出す専用のパーツです。3Dプリントです。

詳しくはぜひ👉動画の解説をご覧ください。

素材の特性を使い分ける

3Dプリンタの素材といえば、ひとくちに言うと樹脂ですがけっこういろいろある。硬度や耐熱性や強度などなど多岐にわたって取り揃っています。

3Dプリント知識すらほとんど手探り状態だった、先述のMIDI自動演奏グロッケンも、わからないなりにかなり試行錯誤をして、しなるバチで鉄琴の板を叩くようにしました。なぜなら音の響きがまるで良くなるから🎶

そして(その時の necobit にできる)最大限の3Dプリント工夫を駆使した自動演奏楽器は、

和太鼓ロボでした🤖🤖

PETG、TPUといった柔軟性のある樹脂素材を選び、部分ごとに使い分けた結果、生き生きとした動作・響きの良い音、これらを両立することができました。

詳しくはコチラの👇製作解説記事をお読みください。

3Dプリンタの使い方、じつはかなり人それぞれ

3Dプリンタは、デザインや造形をやる人と、エンジニアリング系をやる人で求めるものが全然違う道具です。

  • エンジニアリングな使い方…現在の necobit はこの使い方で、基本的に何かを固定するための部品といったものを3Dプリントしています。完全なる素人ながら、力のかかり方とか伝え方を考えながらモデリングしています。

  • デザインや造形な使い方…例えばフィギュア作品などでしょうか。部品ではなく、それそのものに価値のある造形物を作る。

といったように、大きな違いがあり、3Dプリンタに求められる機能も様々。それに応える3Dプリンタメーカーの特色も様々で、その辺を調べるのもまた一興です。

 

デザインセンスを磨いていったらその両方から何か新しいものが生み出せるのかな…などと思いながら、necobit は今日も相変わらずフックを作っています🪝🪝🪝

3Dプリンタを買ったものの、何をプリントしていいかわからないなー💭と言う方は、生活便利品を考えてみると道が開けるかもしれませんね。とりあえずフックを作ってみましょう✨

***

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それでは次回のねこびっと通信まで、お楽しみに

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