初の参加型リモート展示で見えてきた、オンラインイベントコミュニケーション

思いついたけど自分にできるかわからない、でも技術的に可能なことは確か!出来上がったものは未熟ながら得たものは大きかった Maker Faire Tokyo 2021 Online での経験を。
necobit
2021.10.09
誰でも

10月2(土)・3(日)の二日間、ものづくりをみんなで楽しむイベント Maker Faire Tokyo 2021 は、全面オンラインで開催されました。

この一報を、開催1ヶ月前に受けた necobit は…

ならば!🌐インターネットでどこからでも遊べる展示だ!

💡リモートで necobit 自動演奏楽器をコントロールしてもらおう

…と、思いついた。のは、いいんですが。この時点で

「技術的には可能です」。ただし自分に作れるかどうかはわからない。

スリリングでチャレンジング、作る過程までとても楽しい経験となりました。では詳しくみてみましょう。

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ソフトなんもわからんからスタート

まあ…いつもの自動演奏楽器を作るのだって3年もやっててさえ、どうするとどう動くか機構を考えに考えてやっと完成するのが毎度のパターンです。それでもまだハードウェアは物理的に見えるぶん、これでいいのかどこかダメなのかわかりやすい(気がする)。

今回の展示 インターネットから物理的なMIDI楽器を動かす は、ハードじゃなくてソフトウェア開発です。こっち方面はほぼ未経験なんですよ…🔰

 

思いついたきっかけは、人の作品を見ていたこと

ところでその少し前に、ソフトウェアエンジニアの友達からブラウザでMIDIをやり取りするデモンストレーションを見せてもらっていました。

💡あれだ!あれを使わせてもらえばやりたいことが簡単に実現できてしまうな!

インターネットとWEBブラウザさえあれば、世界のどこからでも necobit 宅の MIDI楽器をうごかして遊べるオンライン展示。画像は実際に Maker Faire Tokyo 2021 Online で公開したもの。
インターネットとWEBブラウザさえあれば、世界のどこからでも necobit 宅の MIDI楽器をうごかして遊べるオンライン展示。画像は実際に Maker Faire Tokyo 2021 Online で公開したもの。

「友よ!ちょっと手伝って〜!」気楽に構えていたら、彼は仕事が多忙を極めそれどころではなくなってしまった…☠️

それなら仕方ないと、確実に自分にできる内容の展示で済ます手もあるのですが。

しかし。

 

観るだけの展示から体験して理解できる展示へ

忘れちゃいかん。Maker Faire Tokyo 2021 での目標、今年の目標の一つはこれ。

MIDIの面白さと使いやすさをもっと知ってもらいたい!

一般的には音楽・DTM界隈で扱われている「MIDI」…

実は古くから、シンプルで堅牢な回路とプロトコルとして、アミューズメント的にメカをコントロールする仕組みとしてごく一部の人々や企業に使われてきた歴史があるんです。

例えば、🏰遊園地アトラクション内の自動人形、🕰大型からくり時計、🎭ステージの回転・移動演出などには、MIDI制御のものもあるんです。

使いやすいのに知る人ぞ知るテクノロジーなんてもったいない!

電子工作や音楽制作をやったことない人でも簡単に取り入れられるのがMIDIのいいところです。ここを知ってもらうには、やはり体験。

作ったMIDI自動演奏楽器の音楽を見て楽しんでもらうだけの展示から、その先へ🐾この目標をなんとかオンライン展示で、自力で実現できないか、模索することに。

 

ハードルを下げてもいいから達成する

9/1〜9/12までは何してたかというとひたすら考えたり検索したりしていた。
9/1〜9/12までは何してたかというとひたすら考えたり検索したりしていた。

約三週間かけてなんとかかんとか💦リモートで演奏する機能が作れた……作れたよ…。

これはブラウザに表示されたボタンを押すとMIDI楽器の音がひとつだけ鳴るというもので、例えば画面に鍵盤があってメロディが弾けるとかボタンがいくつもあってこっちは楽器が動いてあっちはライトが光るとかそんな理想的な完成度ではありません。

でもいいんです。これで達成できるぞ。

🐾

見せ方も、オシャレは二の次

体験者には、操作画面の他に、操作しているMIDI楽器が実際どう動いているか見えていなければなりません。

完成形の理想が高すぎて挫折しないために、まず最低限必要なパーツが何かを決めます。

  • 演奏してもらうためのボタン
  • プレイバックする音と映像
  • 集まるための場所を定義すること
実際に Maker Faire Tokyo 2021 Online にて公開した MIDIリモートルーム画面(赤丸・矢印は説明用画像)
実際に Maker Faire Tokyo 2021 Online にて公開した MIDIリモートルーム画面(赤丸・矢印は説明用画像)

まあ…普段WEBデザインなんてやってないのでこんなもんです。でもいいんです。

🤔演奏ボタンだけ置いて音と映像はYoutubeなどの配信サービスを貼り付ければ?

と思われる方もいるかもしれません。

配信サービスを介した場合どうしてもタイムラグが大きくなって、リアルタイムで操作している感じがなくなってしまいます。反応速度に特化したWeb RTCという仕組みを利用するので、その利点を生かすべくリモートルーム上で映像プレイバックしました。(サラッと書いてますがここも苦労した💦)

そして、リモートルームにアクセスした参加者は、配信されている映像を見ながら操作できれば良いのであって、ビデオチャットのように双方の映像や音声を出す必要はありません。というか参加者側の映像が出たらむしろプライバシーの侵害になってしまう。

作ってわかる、気をつけるべきポイント。
作ってわかる、気をつけるべきポイント。

ここもちょっと苦労しましたがなんとかかんとか解決しました💦とはいえ、ほとんどは利用した Skyway というサービスのサンプルコードの流用です。きちんと動作するシンプルなサンプルコードが公開されています。他にも知人の助言やネットに公開されている有益な情報に感謝🙏

 

ちょっと見るだけの人も楽しめるライブ配信

WEBブラウザからのリモート操作は、指定のサイトにアクセスしログイン処理をしなければ実際の様子を見ることはできません。それだけでは何がなんだかよくわからない展示になってしまいそうなので、YouTubeライブ配信で常に誰でも覗けるようにしました。

📺動画を再生すると展示最後の45分、仕組み解説→オマケの自動演奏「蛍の光」が見られます。解説中もリモート操作はアクセス可能にしていたので、誰かがどこかからキャットボットをうごかして太鼓を叩く様子も映っています。

ミニ鉄琴の方は単調なメロディをぽつりぽつりと自動演奏するだけ。それに合わせてリモートでキャットボット太鼓を叩いてもヨシ、全く関係なく太鼓連打などして遊んでもヨシ。ちょいと入室して好きなように体験できる自由な展示です。

10月2(土)・3(日)とも11時〜17時を展示公開タイムとし、Maker Faire Tokyo 2021 公式オンラインプログラムの隙間を狙って、YouTubeライブでもリモートルームでも見られる仕組み解説コーナーを挟みました。

 

オンライン展示の結果

展示内容としては…パッと見ものすご〜〜〜く坦々としたものでした(上記のYouTubeライブアーカイブをちょっと再生するとよくわかると思います)。にもかかわらず、二日間とも常にどなたかが見に来てたり、リモート操作してたり、YouTubeチャットやSNSで「動いた!」「楽しい!」などのお声をいただき、とても手応えを感じました。

オンサイト開催時に負けない充実感のある展示ができたと思います。

 

予定外の展示変更で得た、予想外の可能性

当初予定されていたオンサイト展示からオンライン展示での開催になったことで、大半の Maker Faire Tokyo 2021 オンサイト出展予定者はモチベーションダウンしたのでは…と思っています💭

それでも多くの出展者が独自の方法でオンライン展示していたのが印象強かったですし、公式プログラムでもオンサイト出展者が登場するプレゼン配信・Twitter投稿作品発表など行われていました。

ここ1年半でオンラインイベントも珍しくないものになりましたが、やはりオンサイト展示で観客の反応が直に感じられる🔥現地の熱気はかけがえのないものです。

 

実際、Maker Faire Tokyo 2021 の二日間で、necobit のオンライン展示にアクセスしてコンテンツを体験してくれた人は、オンサイト展示の1/100くらいかな?という印象でした。

いつものように「たくさんの人に見てもらうこと」を目標の一つにしたら、オンライン展示にあたってモチベーションを高めることはできなかったと思います。 動画などのコンテンツを閲覧してもらうだけでなく

  • 参加者が実際にコントロール感触を得られるリモートMIDI演奏体験

今回この点を最も重要視して取り組んだことが、新たなチャレンジ的な面でも、モチベーション維持の面でも、良かったのではないかなと(ある程度の通信遅延は許容範囲)。

 

もうひとつ、今回のイベントがオンライン展示変更になったおかげで、necobit としての広がりに予想もしなかった範囲外のものが見えたのです👀💥

もともと Maker Faire Tokyo 2021 オンサイト出展で予定していた内容は、新作MIDI制御基板の試作を盛り込んだ自動演奏楽器とMIDIで動くメカの展示。

それはそれで楽しい展示になったこと間違いなしなのだけど、 necobit としての広がりは予想された範囲内。この3年間やってきたことの順調な延長線の世界。

その線とはまったく異なる、離れたものをリンクさせられる・遠隔操作できる技術に、未熟ながらひとつの点を打てたことがとても大きな出来事になりました。

necobit が自分たちのものづくりの中核に据えている「MIDIメカニカルシステム」の機能拡張も進めながら、もっと新たな楽しみ方でもMIDIを使った作品をお見せできることでしょう✨

 

オンラインイベントで何を見せるか

necobit はいろんなイベントが開催される中、オンサイトもオンラインも関係なくやろうかなと思い立ったらすぐ手を上げて参加してきたつもりです。

数々のオンラインイベントに出たり見たりして、ようやくオンラインならではの出展者としての楽しみ方が少し見えた気がします。

それは、たくさんの人に見られることを目的とするのではなく、体験を通じて見に来てくれた方とコミュニケーションが発生すること。

音声や文字でのやりとりではなく、ネットを通じた体験そのものがコミュニケーションになると思います。

🐾

今後は再び、現地開催オンサイトイベントの流れに戻っていくかもしれません。しかしそうなる前にこの感覚を得られたのは大きな成果でした!

***

 necobit オンライン展示 こんなのもアリマシタ🤖

コチラも Maker Faire Tokyo 2021 開催期間中🤖💖好評でした。ありがとうございました!

※ペーパークラフトPDFダウンロードおよびリモートMIDI操作サイトは公開終了しています。

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「MIDI寄りものづくり ねこびっと通信」内のレタールームTwitter@necobitternecobit.comお問い合わせフォーム でも受け付けております。

それでは次回のねこびっと通信まで、お楽しみに

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